「謝罪を受け入れてもらえるよう精一杯努力します」4630万円誤振込・阿武町との和解成立で田口被告がコメント

2022.09.22

山口県阿武町が4630万円を誤振込した問題で、町側が金の返還などを求めた民事裁判が22日、和解しました。これで、金の返還をめぐる争いは決着しました。

この問題は4月、阿武町が新型コロナの特別給付金4630万円を、誤って田口翔被告（24）の口座に振り込んだものです。町は田口被告に4630万円の返還と弁護士費用など、あわせて5100万円あまりの支払いを求め、訴えを起こしていました。このうち4630万円は町がすでに回収していて、弁護士費用など485万円の支払いについて争われていました。

22日に地裁萩支部で行われた民事裁判の非公開の手続きで、裁判所が提案した和解案に双方が合意しました。

和解内容は、
▼田口被告が町や町民に対して謝罪する
▼347万円あまりを解決金として支払う
▼この問題は全て解決したこととする
などというものです。

田口被告のコメント:
「本日9月22日、民事裁判で和解が正式に決まりました。 阿武町の方々、大変ご迷惑おかけしました。 本当に申し訳ございません。 町役場、町長には直接謝罪に伺いたかったのですが、ご迷惑のようで今はまだ叶いませんでした。 いつか受け入れてもらえるよう精一杯努力します」
手続きを終えた田口被告の弁護士・山田大介弁護士:
「この時間は、田口被告の自分を見つめ直す期間として考えても、解決に向かってのよりよい案を練る期間と考えてむだではなかったと思います。田口被告にとって、ここがゴールではない、新しい区切りとして更正に向けて頑張ってもらいたい」
阿武町のコメント:
「今回の件でご迷惑・ご心配をおかけした町民の皆さま・全ての方々に改めてお詫びします。再発防止対策をしっかりと実行し、2度とこのようなことのないよう努力します。今回の事件で生じたイメージを払拭し、小さくても元気な阿武町を取り戻し、“新生阿武町”として職員一丸となってリスタートの新たな一歩を、大きく、力強く踏みだす所存です」

町の誤った振り込みに端を発した田口被告との民事裁判が終わることになります。また田口被告は、振り込まれた金をだまし取った罪で起訴されていて、10月5日から刑事裁判が始まります。