角川会長が辞任発表 贈賄罪での起訴を受け 東京五輪めぐる汚職事件

2022.10.04

東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、出版大手「KADOKAWA」会長の角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)は、4日に贈賄罪で起訴されたことを受け、会長職を辞任すると発表した。

角川会長は弁護団を通じてコメントを発表した。「会長職を辞することとした」と明らかにしたうえで、「私だけでなくKADOKAWAの社員2人が逮捕・起訴されたという事態は大変重いと受け止め、責任を取る必要があると考えた」と説明。「今回の事件はKADOKAWAにとって大変な試練であり、これを乗り越えていくには新体制で臨む必要がある」と続けた。

一方で「私自身は、汚職に関与したことなど一切ない」と強調。「刑事裁判では真相を解明し、私が無実であることを明らかにしていきたい。そのことに全力を尽くす所存だ」とコメントを締めくくった。

東京地検特捜部は9月14日に角川会長を逮捕し、勾留期限の4日に起訴した。

起訴状によると、角川会長は部下2人と共謀し、大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)=受託収賄罪で起訴、再逮捕=に対し、大会スポンサーに選定するとともに、協賛金を3億8千万円以内に抑えてほしいなどと依頼。そのうえで、2019年9月~21年1月に計約6900万円の賄賂を送金したとされる。

角川会長は1993年、KADOKAWAの前身の「角川書店」社長に就任し、2005年から会長を務めていた。