東芝再建、銀行団が1兆4000億円規模の融資で最終調整…週内にも「融資証明」

2022.12.23

 東芝の経営再建を巡り、メガバンクなどの銀行団が日本産業パートナーズ(JIP)の買収提案に総額1兆4000億円規模の融資を行うことで最終調整に入ったことが分かった。主力行の三井住友銀行は、東芝に取締役を派遣する方向だ。銀行団は週内にも、融資を約束する「融資証明」を出す見通し。

 関係者によると、三井住友銀とみずほ銀行がそれぞれ4000億~5000億円程度を融資する方向。三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行、あおぞら銀行と合わせた融資額は計1兆4000億円規模となる。このうち2000億円は、必要な時に融資することを約束する「融資枠(コミットメントライン)」とする。

 JIPは、半導体大手のロームやオリックスなど国内勢約20社が連合を組み、総額1兆円規模を共同で出資する方向で調整している。東芝の買収には計2兆2000億円超の資金が必要とされており、銀行団の融資が決まれば、買収に向けて大きく前進する。

 東芝は年明けにも社外取締役で作る特別委員会で、JIP陣営による株式公開買い付け(TOB)を受け入れるかを判断する。JIP陣営の傘下に入れば、来夏にも非上場化する可能性がある。

 東芝は急激な業績悪化に伴う経営の混乱を受け、今年4月に非上場化を含む経営再建案を公募した。複数の陣営から提案を受け、10月にはJIPに優先交渉権を与えて提案内容を精査してきた。