米、中国軍支援6社に禁輸 「偵察気球の運用関与」

2023.02.11

 【ワシントン時事】バイデン米政権は10日、米本土上空を飛行した中国の偵察気球の運用に関与したとして、中国人民解放軍を支援した6企業・団体への米国製品や技術の輸出を事実上禁止すると発表した。

 先端技術の軍事転用を阻止する狙い。声明で「国家安全保障に反し、著しい危険をもたらす」と断定した。

 対象は、中国国有の中国電子科技集団(中国電科)の研究機関や航空宇宙企業など。安保上の懸念がある外国企業を記した米商務省の「エンティティー・リスト」に加えた。14日に発効する。米国製の部品や技術が含まれていれば、日本を含む第三国企業も輸出できなくなる。米中の緊張が一段と高まり、ハイテク分野で米中デカップリング(分断)が深まりそうだ。

 米政権は、中国軍が企業を利用して近代化を図る「軍民融合」戦略を問題視。中国軍の航空宇宙部隊が運用する気球や飛行船に6社・団体が部材を供給したなどと結論付け、貿易制裁として最も厳しい禁輸措置に踏み切る。