国策有機ELが経営破綻 JOLED、負債総額337億円

2023.03.28

 当時のソニーとパナソニックの有機ELパネルの開発部門を統合して設立したJOLED(ジェイオーレッド)は27日、民事再生手続き開始を東京地裁に申し立て、受理されたと発表した。負債総額は約337億円。製造、販売事業から撤退し、石川県能美市と千葉県茂原市の生産拠点を閉鎖する方針も明らかにした。閉鎖時期は未定。政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が大株主で、巨額支援していたが軌道に乗らず経営破綻した。

 JOLEDは安定した生産に想定以上の費用と時間がかかったことに加え、高性能で高品質なディスプレーの需要が伸び悩んだと説明している。韓国や中国勢との価格競争の激化で収益が伸びず、資金流出が続いていた。社員約380人については、開発事業以外の部門で働く約280人を順次解雇すると明らかにした。

 ディスプレーの技術開発事業は液晶パネル大手で同様にINCJの支援を受けているジャパンディスプレイ(JDI)が引き継ぐ。ただ、JDIも赤字が続いており、経営状況は厳しい。