フジテック、創業家会長を解任 大株主が権限乱用指摘

2023.03.29

 エレベーター大手フジテックは28日、創業家出身の内山高一会長を解任した。取締役会には、内山氏と対立する大株主の香港投資ファンド「オアシス・マネジメント」が推薦した社外取締役が一部含まれている。オアシスは内山氏に権限乱用があったと指摘。一方、内山氏は同日、オアシス側に名誉を毀損されたとして、損害賠償を求める訴訟を起こす意向を明らかにした。

 フジテックは解任の理由を明らかにしていない。解任を決議した取締役会は全9人で、オアシス側の取締役は4人。会社側の取締役の一部が賛成に回った結果、過半数に達したとみられる。

 オアシスはフジテック株の約17%を保有。フジテックから内山氏ら創業家に便宜供与があったと主張している。2022年6月の定時株主総会で、当時社長だった内山氏の取締役再任に反対するよう株主に促したが、フジテックは総会当日に再任案を撤回。取締役から外れた内山氏は代表権のない会長に就いた。

 オアシスは12月、社外取締役の刷新を求め臨時株主総会の招集を求めた。