「こども家庭庁」始動…岸田首相、発足式で職員に「率先して子どもと過ごす時間を」

2023.04.03

 政府の子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の発足式が3日午後、東京都内で開かれ、岸田首相はあいさつで「子どもたちにとって何が最も良いことなのかを常に考え、健やかで幸せに成長できるような社会を実現する」と述べた。

 家庭庁は内閣府の外局として1日に発足した。職員は430人体制で、小倉少子化相が担当相を務める。政府が3月末にまとめた少子化対策のたたき台の実現に向け、中核を担う。

 首相は、職員に対し、「子育ての当事者として、率先して子どもと過ごす時間を作ってほしい」と呼びかけた。

 家庭庁は内閣府の外局として1日に発足し、小倉少子化相が担当相となる。少子化や児童虐待といった複数の省庁間にまたがる課題に対応し、縦割り行政の解消を図るのが狙い。厚生労働省から保育所や虐待、内閣府からは少子化などの業務が移管された。

 職員は430人体制。組織は3部局からなり、「長官官房」は、子ども政策の基本方針となる「こども大綱」の策定などを担う。保育所や認定こども園を所管し、妊娠や出産支援を行う「成育局」、虐待や子どもの貧困対策などに対応する「支援局」がある。

 子どもを巡る問題は、所管する省庁が複数あるケースが多い。縦割りを排して一元的に対応するため、家庭庁の担当相には、他省庁に改善を求める「勧告権」も付与されている。