軽症者ら自宅、ホテルに 重症者用病床確保へ 新型コロナで方針移行・加藤厚労相(2020.04.03)東京都千代田区

 加藤勝信厚生労働相は3日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスに感染したものの無症状や軽症な人について、感染が急増する地域では自宅やホテルなどでの療養に移行させる方針を明らかにした。

 現在は症状の程度に関係なく原則入院しているが、重症者向け病床の確保を優先し、懸念される医療崩壊を防ぐ狙いがある。同日までに、都道府県などに具体的な運用方針を通知した。

 政府の専門家会議は1日、東京都などでは患者が急増しているが、爆発的増加「オーバーシュート」は見られないと分析。一方で、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の5都府県では医療提供体制が切迫しており、医療崩壊を防ぐため軽症者には自宅療養に加え宿泊施設の用意が必要と指摘していた。

 新型ウイルスへの対応について、政府は先月28日、基本的対処方針を決定。患者増によって重症者の入院に支障があると判断する都道府県では、入院が不要な軽症者らは自宅療養にすることが盛り込まれた。高齢者らがいて自宅療養が難しい場合、都道府県は宿泊施設などでの療養を行うことを求めた。

 厚労省によると、感染者は現在、症状に関係なく原則入院する。症状改善から48時間後に検査を受け、さらに12時間後に検査して両方とも陰性なら退院を認める。同省は軽症者の退院を促すため、最初の検査を24時間後とするなど基準を緩めた。

 都内では2日現在、感染者が700人近くいるが、重症者は18人で、残りの多くは無症状や軽症。確保済みの病床は約700床で、重症者用の病床確保は喫緊の課題となっている。厚労省によると、ホテルなどの宿泊施設は都道府県が借り上げる形になり、政府が必要な予算を交付する方向で検討が進んでいる。 

Yahoo!ニュースより引用 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00000037-jij-soci