旧制中学時代の太宰、4年を通じて好成績

 青森高校は10日、校内で新たに見つかった太宰治(本名・津島修治)の旧制青森中学時代の成績表を報道陣に公開した。全9種類のうち8種類が初公開。太宰は在学中の4年間を通して好成績を収め、3年次末には学年181人中3位だったことなどが新たに分かった。文系だけでなく理系教科も得意で、運動もよくできていたことが読み取れる。在学中はほぼ無遅刻、無欠席だったとみられ、真面目で優秀だった中学時代の姿が浮かび上がった。

 太宰は1923(大正12)年4月、青森高校の前身の旧制青森中学に入学し、27(昭和2)年3月に卒業。当時は5年制だったが、1年早く卒業した。成績表は、各教科・科目の点数や10段階評価が並び、後ろに欠席時数や席次(成績順位)が書かれている。9種類のうち、4年次の学年末の成績は過去に公開されたことがあり、卒業時に学年162人中4位だったことは知られていたが、今回公開された資料で2年次末に191人中7位、3年次末に3位など好成績を常に維持していたことが分かった。

 成績表を科目別に見ると、「国語」や「文法作文」は、4年間を通して80点台~100点。県近代文学館前副室長で同校教諭の西谷ともえさんは「絶対的に作文が得意だったと言われていたが、成績は1位ではなかった」と話す。一方、数学の「代数」は100点を取ったり、10段階評価で「10」になったりするなど得意だったとみられる。「武道」「体操」も好成績だった。

 9種類の資料は、学期末や学年末に記録用として作成されたとみられる全校生徒の成績が、学級または学年ごとに一覧になった表のつづり。同校内の教科資料室で4年前、当時の教頭が大正から昭和期の成績一覧が段ボール5、6箱に入れられているのを見つけ、西谷教諭が調査した。

 現在の県のルールでは、生徒の成績表は5年間保管した後で廃棄されるが、今回の資料は太宰研究のための価値があると考え、遺族の了承を得て、昨年12月24日付の生徒会新聞「青高新聞」で新資料の発見を発表。全データを掲載し、新聞は在校生や関係者に配布した。資料の実物は今後も同校で保管するという。

 同校の宍倉慎次校長は「太宰は幅広い教養があったからこそ、想像力や表現力を磨くことができたのではないか。子どもたちにはバランスの取れた学習をして、文武両道を目指して励んでほしい。太宰という作家を研究する上でも重要な資料になる」と話した。

Yahoo!ニュースより
https://news.yahoo.co.jp/articles/540d4717b1dc8207995d18031b95e26d10f53930

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