皇位継承、菅政権は結論先送りの構え 衆院選にらみ国論二分に慎重

 国会の要請から約4年たち、政府の安定的な皇位継承の在り方をめぐる検討がようやくスタートした。

 有識者会議が23日、初会合を開催。ただ、秋までに行われる次期衆院選をにらみ、政府は結論を当面先送りする構えだ。一定の方向性を出せば国論を二分しかねず、選挙を抱える菅政権にとって得策ではないとの判断があるためだ。

 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法(退位特例法)の付帯決議に示された課題について、国会に報告するように求められている。高い識見を有する皆さまに議論をお願いする」。菅義偉首相は初会合でこう語り、有識者に議論を委ねた。

 退位特例法は2017年6月に成立。審議した当時の衆参両院の委員会は、皇位の安定継承や女性宮家創設について、法施行後速やかな検討を政府に求める付帯決議を採択した。首相が言及したのはこの決議のことだ。

 ただ、保守層の根強い支持を受けた安倍前政権で目立った動きはなく、時間だけが経過。菅政権に交代後の20年11月、代替わりに伴う一連の儀式が終了したことを受けて会議を開く日程案もあったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催はさらにずれ込んだ。

 今回の会議メンバーは有識者6人。いずれも皇室制度の専門外からの起用で、結論ありきとの印象を薄める狙いもあるとみられる。政府高官は「皇室制度に強い主張を持つ人は避けた」と語り、中立性を重視したと説明する。

 一方、肝心の議論のスピードは緩やかなものになりそうだ。菅政権としては秋までの衆院選を前に国論を二分しかねない議論はなるべく避けたいのが本音で、有識者会議には明確な報告期限を設けていない。政府内には、皇位継承資格を有する秋篠宮さまの長男悠仁さまはまだ14歳で、早期結論へ機運が高まっているとは言い難いと指摘する向きもある。

 会議がまとめる報告も結論は求めない。焦点の女性・女系天皇の是非について、有識者会議が一定の方向性を打ち出すと政権が縛られる恐れがあるためだ。容認にかじを切った場合、政権への保守層の反発も予想され、会議の役割は論点整理にとどめる。

 自民党関係者は「首相は動かす気がない」と断言。政府関係者は「結論は出さない」と言い切る。検討は足踏み状態が続く可能性が高い。 
Yahoo!ニュースより
https://news.yahoo.co.jp/articles/883a82e39e50fbd96c6a061337dab1fb18d37bfd

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