対中競争、日本との連携軸 米政権、包囲網構築に腐心

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は16日の菅義偉首相との会談で、激化する中国との競争で協調を演出しようと腐心した。

 他の同盟国と思惑が必ずしも一致しない中、日本と足並みをまずそろえ、アジア太平洋地域で連携の軸を構築する狙いからだ。

 「私たちは中国からの挑戦に立ち向かうため協力することを約束した」。バイデン氏は首相との共同記者会見でこう強調した。首相が「中国との率直な対話」の必要性にも言及したのと比べ、対抗意識の強さが際立った。

 ただ、バイデン氏は随所に首相への配慮も見せた。首相を何度も「ヨシ」と呼び、会見が終わると首相の背中をポンとたたいて親密さを印象付けたのもその一環だ。

 バイデン氏は中国との争いを「民主主義」対「専制主義」の競争と捉えており、同盟・友好国で構成する民主主義陣営の結束を固めたい考えだ。

 米議会では中国への包括的対抗策を盛った「戦略的競争法案」が審議され、対中強硬外交には超党派の後押しがある。バイデン氏が先に発表したアフガニスタンからの米軍撤収も「西太平洋に焦点を合わせる」(政府高官)狙いがあり、バイデン外交は今後、一段と中国への対抗色を強めていく可能性がある。

 だが、同盟各国の中国の捉え方は米国流の二元論より複雑で、包囲網づくりは容易ではない。

 バイデン氏は2月のミュンヘン安全保障会議で対中国での協力を訴えたが、フランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相は中国に言及しなかった。戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン上級副所長は「不満の残る結果だった」と分析する。

 アジア太平洋地域でも、中国は「北朝鮮非核化への協力」をカードに韓国を引き寄せ、米韓同盟にくさびを打ち込もうともくろむ。そのアジアでバイデン政権が「積極的で有能なパートナー」(カーネギー国際平和財団のジェームズ・ショフ氏)として期待するのが、価値観を共有する技術大国で、強固な防衛協力関係にある日本だ。

 バイデン氏は首脳会談で、人権や台湾などで過度に同調を強いることを避けた。もっとも擦れ違いの火種が消えたわけではなく、米政府は今まで以上に緊密な同盟管理に努める方針とみられる。 

Yahoo!ニュースより
https://news.yahoo.co.jp/articles/6a125797356548062a2bbd74a5d074ad0ad52705

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