NHK会長 ジャニーズ所属タレントの今後の起用「新規の出演依頼は当面行わない」紅白出場現状ゼロに

 NHKの稲葉延雄会長が27日、東京・渋谷の同局で定例記者会見を行い、ジャニーズ事務所所属タレントの今後の番組起用について言及した。

 「契約ですでに決まっているタレントさんはそのまま出演いたしますが、新規の出演依頼については被害者への補償について、再発防止への取り組みが着実に行われていることを確認されるまでは行わないという基本スタンス」だと明かした。

 その上で担当者は「新規の出演依頼は当面行わない」という方針がいつから始まるのかを「これについては本日から」と説明。また、年末の紅白歌合戦についても「同じ判断」とした。

 その後、行われた山名啓雄メディア総局長の会見で、ジャニーズ事務所所属タレントの紅白出場について、山名氏は「現状ではゼロになる」と説明した。

 ジャニーズ事務所のタレントの出場数は近年は5、6組。さらに、演歌歌手のバックで踊るなど、歌唱時以外にもさまざまな場面で盛り上げに一役買い、さまざまな企画にも登場してきた。

 紅白歌合戦の選考基準について、同局は例年「1.今年の活躍」「2.世論の支持」「3.番組の企画・演出」の3つを中心に選考と公表している。この日、同局はこれまでの出演について「その基準にハマった皆さんにご出演させていただいていた」と話すにとどめた。

 ジャニーズ事務所は故ジャニー喜多川元社長による性加害問題を受け、今月7日に会見を行い、藤島ジュリー景子社長の後任として少年隊の東山紀之が新社長に就任することなどを発表。「ジャニーズ事務所」の名称変更は行わず改革に取り組むとした。だが、この会見後、大手企業が相次いで所属タレントの広告起用を見直す方針を明らかになっていた。

 ジャニーズ事務所はその後、19日に取締役会を開催し、社名変更など、今後の会社運営に関わる大きな方向性についてあらゆる角度から議論を行い、向かうべき方針を確認したと発表した。10月2日には進捗(しんちょく)内容を具体的に報告するとしている。芸能関係者によると、現在は新たな社名を検討している段階。一方、被害者への補償を担当する組織としてジャニーズ事務所を残し、全く新しい会社を設立。そこにタレントが所属する案もあるという。