日中関係後退させた歴史観 愛国教育で反日デモ拡大 江沢民氏
2022.12.01
【北京時事】愛国主義教育を推進した中国の江沢民元国家主席は、日本の歴代首相に歴史認識問題をただすなど、対日強硬姿勢が目立った。
江氏の歴史観はその後の最高指導者の対日姿勢に影響を与えるとともに、中国国民の反日感情を高め、2005年や12年に各地で吹き荒れた大規模な反日デモの下地になった。江氏が未来志向の日中関係を後退させた責任は大きいと言える。
江氏が生まれ育った江蘇省揚州市は旧日本軍の影響が強かった地域。共産党の地下活動家として抗日戦争を戦い、1939年に戦死した「革命烈士」の叔父・江上青の養子になったことがその後の江氏の経歴に箔(はく)を付けた。また、この経歴が江氏の「歴史観」に影響を与えたとの見方が強い。
党総書記だった92年に実現した天皇陛下(現上皇さま)の訪中を、89年の天安門事件後の国際的孤立から脱却するため政治的に利用した。天皇訪中は「制裁を打ち破る最良の突破口だった」(銭其※〈王ヘンに深のツクリ〉元副首相の回顧録「外交十記」)。

