寝屋川市議らを詐欺容疑で逮捕 コロナ融資金の仲介名目 福岡県警

2022.08.01

 新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した福祉・医療関係施設向けの公的融資制度を巡り、融資の仲介をすると偽って、福祉施設側から手数料名目で現金をだまし取ったとして、福岡県警は1日午前、大阪府寝屋川市議の吉羽美華容疑者(42)ら男女数人を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、吉羽容疑者らは2020年7月以降、大阪府堺市の福祉施設に、独立行政法人「福祉医療機構(WAM)」の「新型コロナウイルス対応支援資金」制度について、「融資を受けたうちの半額を自分たちに『仲介手数料』として支払えば、返済不要になる」などとうその説明をした。この福祉施設名義で融資をWAMに申し込んで、12月に1億2千万円の融資を受けさせ、このうち計約6千万円を福祉施設から詐取した疑いがある。

 施設側は、WAMから支援金が振り込まれたのを確認後、大阪市内のコンサルティング会社2社への「業務委託料」の名目で仲介手数料を支払っていたという。

 この制度は、コロナの影響で利用者や収益が減った福祉施設などが一定の額まで無利子・無担保で融資を受けられる仕組みで、仲介は不要。県警は、吉羽容疑者らが仲介が必要だと施設側を信じ込ませた上で、業務委託の契約料の形で、仲介手数料を支払うことを提案。融資に必要な書類を預かり、申し込ませたとみている。

 この制度では、不審な勧誘を受けたといった情報が相次ぎ、WAMがホームページ上で注意を促していた。